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創業は、大正13年。三河みりんではいちばんの新参者です。

創業は、大正13年。三河みりんではいちばんの新参者です。
現在、碧南でみりん蔵は5社あります。九重みりんさんが元祖で創業250年。続いて相生みりんさんが明治の1桁(創業は明治5年)、3番目は明治後期に創業した角谷文治郎商店さんです。三河みりんの名を全国にとどろかせたのは今の角谷社長です。三河みりんイコール角谷文治郎商店さんです。どこも三河みりんなんですけど、多くの消費者の方は「ビンが四角いのが三河みりん!」とお思いです。それで4番目は、うちのすぐ目と鼻の先にある小笠原みりんさんで大正9年。最後がうちで創業は大正13年。新参者なんです。
江戸という一大消費地とつながる海運業が、三河醸造文化の父だった。

江戸という一大消費地とつながる海運業が、三河醸造文化の父だった。

江戸の後期、知多を中心とした地域には200軒ほどの酒蔵があり、その隆盛を支えたのが、江戸という巨大消費地と、江戸とこの地を結ぶ海運業でした。ちなみに、いまも日本を代表する酢造メーカーであるミツカンさんは、知多半島の半田が創業地で、もとは廻船問屋として知多の酒を船に積み、江戸へ運ぶインフラを持っていました。
江戸後期のファストフード文化「立ち食い寿司」の酢も、それゆえに愛知知多産が江戸で大きなシェアを握りました。
みりんは、その対岸の碧南で生まれ、三河みりんの元祖とされる九重味淋さんも、ミツカンさんと同じく廻船問屋を営んでいました。江戸での卸先は食品や酒の問屋でした。この地域特有の豆味噌、たまり、白醤油、酢、みりんなどの醸造蔵文化は、押し並べて海運業があってこそ花開いたのです。

明治用水が肥沃な土地を潤し、穀倉地帯になった。

碧南のお隣の安城市に明治用水という矢作川からの水路がつくられています。もともと土地自体は肥沃だったらしく、その水路のお陰で、大豆、米、麦に恵まれています。また、大豆で作る豆腐、納豆、小麦で作るうどん、そうめん、碧南は焼きそば麺も有名です。 醸造には、麹が不可欠です。小麦大豆は、醤油になるし味噌にもなります。米は、お酒になるし、もち米は、みりんになるからです。豊穣さに支えられているなって思います。

また、三河湾という温暖な湾があるので、昔は幡豆郡吉良町で国内有数の入浜式塩田がありました。
原理は砂混じりの濃い塩水を濾して釜で煮立てて結晶を採る。塩が無ければ味噌も醤油も出来ませんからね。
塩田の存在は大きかったと思います。残念ながら現在は塩田も、塩も、国策で工業的に作るということになっていますが、いままた小さな製塩所で昔ながらの塩を作っています。そこの塩は、昔から「饗庭塩(あえばじお)」っていうブランドで今に伝わっています。
  • 三河みりん
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明治用水

矢作川を水源とし、愛知県のほぼ中央に位置する安城市を中心に、8市にまたがる約6,000ヘクタールの農地をかんがいする農業用水。この地は水性に乏しい酸性粘土質地帯であったため、矢作川の水を碧海台地に導き大規模な新田開発を行おうと計画したのが、和泉村の都築弥厚翁だった。1833年(天保4年)、この「三河国碧海郡新開計画」は幕府から一部許可されたが、同年9月69歳で弥厚翁が亡くなり計画は頓挫。弥厚翁没後39年後の1873年(明治6年)、岡本兵松と伊豫田与八郎がその遺志を引継ぎ、1879年(明治12年)から昼夜兼行で進められた新水路の工事は、翌年に完工、翁の夢は「明治用水」として実現した。
*参考 農水省HP
本みりんとは、何か?

本みりんとは、何か?

みりんは戦国時代には、甘い酒として飲まれていました。江戸後期には飲用の他、鰻屋のたれ、蕎麦屋のつゆなど、プロ向けの上質な調味料として使われるようになりました。明治以降は一部家庭でも使われますが、基本的には贅沢な調味料であり、おもに料亭や割烹ほかで使われていたようです。 昭和30年代には国民の食卓も贅沢になり、多くの一般家庭にも普及し日常づかいの調味料となりますが、同時に「みりん風調味料」や「発酵調味料」など安価な代用調味料も多く出回り、現在に至ります。 *類似調味料の「みりん風調味料」と「発酵調味料」は、本みりんとは製法も成分も異なり、その帰結として調理効果も異なります*

みりんは、蒸したもち米と米麹を合わせ、焼酎(または醸造アルコール)を加えて混ぜ、一般的には40~60日の静置期間のなかで糖化・熟成し作られます。静置中に米麹の酵素が働き、もち米のデンプンやタンパク質を分解し、糖類、アミノ酸、有機酸、香気成分などを生成、みりんの特徴が育まれるのです。
(みりんの主な成分は、麹菌の酵素の働きでデンプンやタンパク質を分解して出来た生成物とアルコールです。)
ずっとみりんを造っていて、心の奥深くから生まれた言葉は、「醸造とは、じっくりと時間をかけ育てるもの。」です。あとは、「継続は力なり」。続けなければ出会えない。続けるためには、いいものを造らないと。

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